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串カツ田中を考察!割高?割安?

先見性を磨いて資産構築!
バリュー株の長期保有で10倍株を狙う
IT系サラリーマン投資家、株之心(かぶのしん)です。

前々回および前回の記事で、
串カツ田中の考察に関する連載記事の第一弾、第二弾を書き、
串カツ田中の企業としての価値の高さと
株価チャーから買うタイミングをどの様に考えるべきかについてお伝えしてきました。

まだお読みでない方は以下をクリックしてください。

串カツ田中を考察する ~第一弾! 他社には真似できない味の秘密に迫る~

串カツ田中を考察する ~第二弾!株価チャートを考察!買い時を見極めよう!~

では、串カツ田中の価値の高さって
投資家たちにどのくらい知れ渡っているのでしょうか?
また、いまの株価に投資家たちの期待が
どのくらい盛り込まれてしまっているのでしょうか?

バリュー株投資で10倍の利益を狙うのであれば、
企業の良さが投資家たちにまだあまり知られておらず、
投資家たちの期待がまだ株価に盛り込まれていない銘柄を買う必要があります。

既にかなりの期待が株価に盛り込まれてしまった銘柄を買っても
10倍の利益を狙うのは相当難しいと思います。

第二弾では株価チャートの考え方について説明してきましたが、
いまの株価に期待がどのくらい盛り込まれているかについて、
株価チャートから判断するのは難しいと考えます。

そこで、PERという指標が役に立ってくるのです!

PERによって、いまの株価は投資家たちの期待が盛り込まれた状態(割高)であるのか
まだそれほど盛り込まれていない状態(割安)であるのかをある程度判断できるのです!

では、PERからどの様に割高・割安を判定し、
どの様に考えて買うか否かを検証したらよいでしょうか?

今回は全3回のうちの第3回
「PERの観点から割安か割高かを判断し買うか否かを検証する!」
についてお伝えします。

PERの計算方法 および 割高・割安の判断基準を知ろう!

PERは以下の計算式で求めることができます。

    PER = 現在の株価 ÷ 1株あたりの純利益

例えば、1株あたりの純利益が20円の会社があったとします。
その銘柄のいま現在の株価が300円であれば、
PERは300÷2015倍という計算です。

1株あたりの純利益とは、
純利益を発行済み株式の総数(市場に出回っているすべての株式の数)で割ったものです。
以降、本記事では1株あたりの純利益を1株益と呼ぶことにします。

1株益は四半期ごとに会社が発表する決算短信に掲載されています。
以下の資料は「決算短信からホールドか売りかを判断しよう!」
の記事でも紹介しました、
ある会社の決算短信における2019年3月期の連結業績予想です。

1株当たり当期純利益の箇所が1株益であり、
PERを計算する際には通期の計画値の1株益(赤枠部分を参照)を使用します。

ちなみに、この会社の現在の株価は1876円であるため、
PERを計算すると、1876(株価)÷138.92(1株益)13.50倍です。

PERは一般的に15倍が適正な価格と言われており、
15倍未満であれば「割安」、15倍以上であれば「割高」であると言われております。

なので、この会社のPERは少々割安ぎみですがほぼほぼ適正な価格であるといえますね。

決算短信からホールドか売りかを判断しよう!

PERを計算しよう ~CASE1:今期計画値の1株益で計算~

さて、串カツ田中のPERを求めていきましょう!

ではまず、串カツ田中の今期の通期の計画値における1株益を確認しましょう!
以下の資料は平成30年11月期の業績予想です。

1株益(赤枠部分を参照)は42.72円ですね。

2018年10月12日の株価はは3100円であるため、
PERを計算すると、3100(株価)÷42.72(1株益)72.56倍です。

これはPERの適正値とされる15倍と比べて
4.83倍のPERとなっており、かなり割高であると言うべきでしょう!

これは投資家たちの期待値がかなり高いことを表しています。

PER72.56倍という数字は
今期の通期の計画値における1株益を元に計算して出していますね。

この数字の意味として、
将来の純利益が今期の計画値に対して4.83倍になることが
投資家たちから期待されていると考えることができます。

つまり、既にそれだけの期待値がいまの株価に盛り込まれてしまっていると考えることができます。
(言い換えれば、今後4.83倍成長して当たり前、
  それ以下の成長なら株価は落ちるよ、ということです。)

そう考えると買うのは相当リスクが高いと考えます。

PERを計算しよう ~CASE2:来期四季報予想値の1株益で計算~

先ほどは今期の計画値でPERを算出しました。
今度は来期の予想値からPERを算出してみましょう!

来期の予想値における1株益は、四季報で確認できます。
なお、四季報の情報は最新のものであれば、
冊子を買わなくてもネットで確認することも可能です。

では、串カツ田中の来期の予想値における1株益を確認しましょう!
以下の資料は四季報における2014年11月期~2017年11月期の実績値と
2018年11月期~2019年11月期の業績予想です。
※四季報では過去3~4年分の実績値と未来2年分の予想値を掲載していることが多いです。

2019年11月期の1株益(赤枠部分を参照)は52.6円ですね。

2018年10月12日の株価はは3100円であるため、
PERを計算すると、3100(株価)÷52.6(1株益)58.93倍です。

PERの適正値とされる15倍と比べて3.92倍のPERであるため、
将来の純利益が、来期の予想値に対して3.92倍になることが
投資家たちから期待されていると考えることができます。

1年後の予想値で算出したPERで考えてみても
今期計画値で算出したPERと比較して倍率は落ちているものの
適正値の3.92倍なのでやはり割高ですね!

PERを計算しよう ~CASE3:仮説で立てた将来の1株益で計算~

これまで、今期の計画値および来期の予想値を元にPERを計算してきました!

では、2年後や3年後、
さらにもっと先の将来の予想値でPERを計算したらどうなるんだろう!
って興味がありますよね。

ですが、四季報には来期(1年後)分までしか掲載されておりません。

そこで1歩踏み込んで、さらなる将来の1株益を
これまでの情報を元にして仮説を立てて求めてみましょう!

第二弾の記事で「社長 貫 啓二が、
出店数を1000店舗にまで拡大させることを計画している」
ということをお伝えしたことを覚えておりますでしょうか。

仮に何年後かに1000店舗達成できた場合、
そのときの1株益はどのくらいになっているでしょうか。

2018年7月時点の店舗数は202店舗なので、
1000店舗達成できれば店舗数は5倍になりますよね。

店舗数が5倍ということは、
単純計算で考えると売上も5倍になると想定できます。
純利益に関しては店舗数の増加とかそのときの状況により、
利益率とかが変わるかもしれませんが、
こちらについてもとりあえず5倍で想定してみましょう!

では、以上の事を踏まえて
1000店舗達成できたときの1株益を考えてみましょう!

今期の計画値の1株益が42.72円なので、
1000店舗達成時の1株益は5倍の213.6円になると想定できます。

2018年10月12日の株価は3100円であるため、
PERを計算すると、3100(株価)÷213.6(1株益)14.51倍です。

ここでようやくPERが適正値と同じくらいの値になりましたね。

1000店舗達成した場合の1株益でPERが適正値になったということは、
いま現在の株価には1000店舗達成するということが
既に盛り込まれてしまっていると考えるべきでしょう!

仮説で立てた将来の1株益は具体的にはいつ頃達成するの?

ここまでで以下3つのPERを算出して考えてきました。
・今期の計画値の1株益で算出したPER
・来期の予想値の1株益で算出したPER
・1000店舗達成の仮説で立てた1株益で算出したPER

これら3つのPERを考えてみたところ、串カツ田中はかなり割高で、
株之心としましては「買い」の候補には入れられないと感じました。

まず、今期と来期の1株益でのPERがかなり割高であることが
「買い」を控える最大の要因
です。
やはり、明確に示されている数値(すなわち、今期と来期の1株益)で出したPERは
買うか否かを検討する判断材料としては強力です。

それでも近い将来急成長が見込め、PERが割安になる見込みがあるならば
「買い」を検討することも考えられます。
ですが、5倍成長の頼みである1000店舗達成の時期について会社から正式に発表されておらず、
いつ達成できるのかわからない状況ではなかなか「買い」には踏み切れないところです。

では、1000店舗達成の時期がいつ頃になりそうか考えてみましょう!
以下の店舗数のグラフによると、
2015年から2018年までの3年間で約100店舗増加しております。

1000店舗達成まであと800店舗増やす必要があるため、
今後もこのままのペースで増加するならば24年かかってしまいます。

つまり、先ほど算出したPER14.51倍という数字は
24年後の1株益で計算したPERであるといえます。
いまの株価は24年後の業績での適正価格ということです。

これは随分と気の遠くなる話ですよね!

「割高」判定も状況が変われば「割安」に転じることもある!

現在の状況では、「買い」に踏み切れないと言いましたが、
状況が変わってくれば話も変わってきます。

仮説のPERは24年後の1株益で14.51倍であると言いましたが、
例えば、来年あたりに社長が「1000店舗を5年後に達成します!」
と明確に宣言したならばどうなるでしょうか?

仮説のPERは以下の様に変わります。
24年後の1株益で14.51倍 ⇒ 5年後の1株益で14.51倍

あるいは、はっきりとした宣言がなくても来年末以降に
例えば、
2019年末時点の店舗数が380になりました!」
という発表があったとしたらどうなるでしょうか?

現在、2018年末の予定では221店舗ですが、
2019年末に380店舗達成できれば1年間で160店舗の増加です。

これまで3年間で100店舗のペースであったことを
考えるとかなりペースが上がっています。

このペースであれば、5年後の2024年末に800店舗増加で
1000店舗達成できるという計算になりますね。

この様な場合でも仮説のPERは以下の様に変わります。
24年後の1株益で14.51倍 ⇒ 5年後の1株益で14.51倍

  この様に社長の宣言があったり、
  店舗数の発表から店舗数増加のペースアップを読み取ったりしたときとかに、
  仮説のPERを再計算してみるとよいでしょう!

では、ここでもうひとつ!
仮説のPERは1000店舗達成時の純利益が5倍になるという想定で計算しております。

これは店舗数が5倍になることで売上も5倍になるので、
それに伴って純利益も5倍になるという単純計算で想定しています。
この想定では利益率の変化を考慮しておりません。

利益率とは売上高に対する利益の割合のことです。
例えば、売上高が100億円で利益が5億円なら利益率は5%です。

では仮に、店舗数が増えることにより店舗運営が効率的になり、
利益率が2倍に改善されるとすれば、売上高が5倍でも純利益は10倍になります。

その場合、1000店舗達成時のPERは
14.51倍ではなく半分の7.25倍です。
つまり、仮説のPERは5年後の1株益で7.25倍です。

適正水準の15倍と比べるとかなり割安な水準です。
5年後の1株益で7.25倍であれば「買い」を検討しても良いでしょう!

この様に今後の動向をチェックすることで、
いったんは割高と判定された銘柄でも割安に転じることもあります。
そういった情報をいち早くつかむことができれば
他の投資家たちに先んじて買いを仕込むことができますので、
狙っている銘柄の動向のチェックは怠らない様にしましょう!

株之心の銘柄選びノウハウ

今回の連載記事では、株を買うにあたってのノウハウについて、
株之心が実践しているやり方を事例を含めてご紹介させていただきました。

気になる銘柄を見つけた際にはまず、
その銘柄そのものに買う価値があるのか否かを判断しましょう!

そのうえで、第一弾および第二弾の前半の記事で紹介した様に
企業としての価値の高さ、すなわち以下のことを考えましょう。

 ・他社には真似できない強みを持っているか
 ・商品・サービスで顧客を満足させることができているか
 ・業績という形でしっかり数字に現れているか
     (あるいは将来的に現れる見込みがあるか)
 ・店舗数拡大・新商品開発など将来の成長が期待できる要因があるか

そして銘柄そのものに買う価値があると判断した場合、
次に考えるべきは買うタイミングについてです。

第二弾の後半で紹介した株価チャートや第三弾で紹介したPERを用いて考えます。
株価チャートとPERでは役割が少し異なります。

株価チャートで見るのは投資家たちの気分です。
株価は日々上がったり下がったりを繰り返しておりますが、
上がっているときは投資家たちが「強気」になっており、
下がっているときは投資家たちが「弱気」になっています。

株之心の投資手法はテクニカルではなくバリュー株投資であり、
企業の価値に着目した買い方を実践しておりますため、
日々の株価の動きを神経質に気にしたりすることはありません。

ですが、買うにあたっては、
投資家たちが特に根拠もないのにやたらと「強気」になっていて
株価が上がり過ぎてしまっているときに買ってしまうことは避けたいと考えています。

そのために株価チャートを見ております。

一方、「PER」では本来の企業の価値に着目し、
株価が企業の価値に相当するのか、
あるいは、企業の本来の価値よりも株価が高い状態にあるのかを見ております。
これは株価チャートを見ていただけでは決して知ることはできません。

例えば、第二弾で紹介した
串カツ田中の以下の株価チャートを見ると、
一時期の急上昇で最高値7480円を付けてから下落して
現在の水準のところで半年ぐらいはキープしておりますね。
これを見るといまの水準が適正価格の様に思えてしまいます。

ですが、PERを計算してみると、
今期計画値の1株益での計算で適正価格の4.83倍、
来期予想値の1株益での計算で適正価格の3.92倍、
と適正価格よりもかなり高い状態です。

つまり、企業の本来の価値を考えると640~790円くらいが適正価格といえます。

3240円付近のところで半年間推移し続けているということは、
企業の本来の価値以上にかなり「強気」な状態で取引されている
ということがお分かり頂けると思います。

串カツ田中の連載記事の第一弾~第三弾まで
長きに渡ってお付き合い頂きありがとうございました。

皆さんが注目している銘柄がありましたら、
串カツ田中の連載記事で記載したノウハウを参考に
検討して頂けたら株之心としてはこの上なく幸いです。

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